最終話 ラストレイヴン

依頼者:ジャック・O
報酬:999999c
作戦領域:サークシティ地下最奥部・インターネサイン

ディルガン流通管理局

「本部が政府軍に壊滅され、物資も底をつきかけている状態なのにまだ懲りないな?」
「本部などもうどうでも良い、それより、先ほどの依頼に対する返事を聞きたいのだが」

 管理局には2機のAC、ゼクセンの紅いスキールニル。それと対をなす蒼いAC・・・
「カイン・トラスティベル、正直、お前の考えがよく分からん。戦術部隊司令官としてジャックと対峙し、手を返すようにバーテックスに荷担・・・、まぁ結局はジャックたちの内情を調べるアライアンスのスパイというわけだったが、このときは俺にも本部から粛清の依頼が来たがね」
「ゼクセン・・・レイヴンの本名を明かすのは・・・」
「カインって、随分カッコいい名前を持ってるのね。エヴァンジェ?」
「・・・!お前は、あの時の小娘。ゼクセン・・・これは一体?」

 困惑する本名カイン・トラスティベルこと、エヴァンジェはゼクセンに問い掛ける。

「ちょっとした縁で、俺のACのメカニックを務めている。夕方にあるものを聞かせてもらったことでな・・・」
「あるもの・・・なんだそれは?」
「俺が見たわけじゃないが、こいつはファゴスのじいさんとノエルからの目撃情報だ。名をナインボール、パイロットはハスラー・ワン。あのパルヴァライザーを簡単に撃破したACだ、リストにも載っている有力レイヴン。俺のリサーチャーの話では、旧世代・・・大深度戦争時代に確認されたACのはずだが、奇妙にも構成パーツがアライアンスに吸収された旧企業のものだったって事だ」
「なるほど・・・ノエル・・・プリンシバルがか・・・」
「さてと、エヴァンジェ、ジャックからの依頼は分かった。引き受けるが、ここからではサークシティまでは遠い・・・行きに使ったSR(ソニックランナー)は使い捨てでもう使えんわけだだが・・・」
「ウロボロスを使え、アレならすぐに行けるはずだ」

 ウロボロス・・・、リニアレールを利用した遠心加速カタパルトマスドライバー。旧ナービス社が設計、当時提携を組んでいたクレスト社が建造した巨大施設。リニア技術を応用した地上の高速移動を目的とし、射出角調整が可能な旋回加速型マスドライバー。目的地上空の高高度まで弾丸型シェルで打ち上げ、シェルを分解して垂直に降下する。施設自体が回転する構造となっており、細かな方向修正が可能。垂直に降下させるため、補給戦線を必要としない物資の補給や超短時間での急襲に利用するものだが、その規模故に射出する度に都市一個分の電力を丸々消費してしまう。ナービス戦役が終結した後、特攻兵器襲来以降はその存在をナービスの名と共に忘れ去られた存在。
 ゼクセンはエヴァンジェの誘導でウロボロスの最奥部へと愛機と共に足を進める。
「一応、予備のSRをつけておいたわ。ゼクセン、射出後にシェルを強制分解させ、SRを点火。都市上空到達後、ユニットの切り離しと同時に都市最深部へ降下して目標地点へ向ってください」
「了解・・・と言いたい所だが、サークシティの状況を把握したい。デュラム、現在の戦況は?」
「政府軍による攻撃でアライアンス本部は壊滅、現在は戦術部隊だけがアライアンスとして残っているが、バーテックスとの最終作戦で残りの戦力も無くなり、アライアンスはその存在も完全に消滅するだろう。バーテックスもジャックとその主要幹部となるレイヴンに都市の中心を守る僅かなMT等だけだ。政府軍はどういうわけかアライアンス本部だけを潰してサークシティに向おうとしない」
「なるほど、政府の『敵』はアライアンスだけ、バーテックスとの戦闘は介入しない・・・。つまり、互いが痛み分けで終わる漁夫の利を狙ってるわけか。政府にしてみれば旧企業の連合帯であるアライアンスは疲弊した自身にとって厄介な相手、それをジャックとの戦闘で互いを消耗させる策だったか」
「そういうことだ、じゃ、大将。生きて帰ってこいよ!」
「生きて帰るさ・・・必ずな」

「シェル、固定完了。マスドライバー、レールへの電圧出力良好・・・カタパルト・オンライン、スキールニル発進シークエンス・グリーン」
「了解、ソニックランナーの出力安定数値を確認、FCSコンタクト良好、全システムオールグリーン・・・ACスキールニル、ゼクセン、これより最終ミッションを開始する」

 カタパルトが作動して数秒で最高速へ加速し、コクピット内は加速による物凄いGによって計器類やシートが揺れる。ゼクセンに掛かる重力は、通常のジェット戦闘機よりも高い。充分な加速を得て射出されるシェル・・・その刹那でシェルを強制分解し、ソニックランナーを点火、射出時の重力プラスSR点火時の重力が機体全体にかかり、コクピットのゼクセンへの負担も倍増。
 激しく揺れるコクピット、操縦桿を握る手が衝撃で外れないように力強く握り締め、機体のバランスを保つ一方で、サークシティまでの距離と時間をモニターで確認する。そして・・・

「目標地点に到達、これよりソニックランナーを強制パージする」

ガコン・・・

 轟音と共にそれまで咆哮をあげ続けていた音速の怪物がACから離れてゆく・・・。慣性による落下でも都市の中心部へと上手く機体を制御し、比較的薄い外壁を短時間でスキャンし、そこへ数発小型ロケットを打ち込み、外壁を破壊。中央広場と思われる場所にたどり着く。広場中央に聳え立つビルと思しき建造物、前方と後方に扉が1つずつあるが、ここが開く気配はない。だが、ゼクセンはこの広場で漂う殺気を全方位から感じ取る。

「ジュン、回避して、広場に特攻兵器の熱源を確認。レーダーが紅く染まって・・・」

ガーガー・・・

「・・・!レイラ、応答しろ、レイラ!・・・くそ、特攻兵器?ジャックの仕業・・・は考えにくいな、となると、ここは大掛かりなガードシステムってわけか」
「半年前、この特攻兵器によって世界は崩壊しかけた。俺も、光景を見るのは久しぶりだ・・・」
「シーナ・・・?なら話は早い、安全なそっちへ・・・」

ドン!

 広場の前後の扉うち、後方の扉から出てきたのは、アイザールダムでスティンガーを追っていたレイヴン・シーナだった。が、突如シーナはゼクセンに向けて高出力レーザーライフル『カラサワ』を発砲する。

「・・・!何のつもりだ!」
「悪いが、ジャックからの依頼で、お前が『本物』かどうか、試す!」
「・・・チッ。やる気か?だが丁度良い、ダムでの落とし前をつけさせてもらうぜ!」

 飛来する特攻兵器に閉鎖された地下広場での孤独な決闘の火蓋が切って落とされた。

「敵ACを確認、ランカーACカオスマトリクスです。敵はハイレーザーライフルとブレードを装備。各距離対応の武器による変化に注意してください」

 コンピュータから出されたACデータ、だが、いつもならACの頭には『リスト』とつくはずだが、シーナのACカオスマトリクスには『ランカー』と表記されていた。

「ランカーAC?以前、レイラがアークに所属していたレイヴンって言ってたが、イツァム・ナーのいた本部アリーナにはいなかった・・・ということは!」
「そう、俺はナービス戦役のあったナービスアリーナのレイヴン」
「デュラムが言っていたエヴァンジェを破った同期のレイヴンてのは、お前のことだったか。こいつは驚いた、目の前にいるのがあのレイヴンとは、こりゃ、神様の1つでも信じてみたくなってみたぜ!」
「だが、お前のACはこの後のインターネサインでの戦闘に控えているからあまり無駄弾を出すのは得策ではない、どう切り抜ける、レイヴン!」

 最終決戦用にやや弾数の多いものを装備していたゼクセンにとって、ここでの長居は無用であることは分かっていた。だが、飛来する特攻兵器と襲い掛かるシーナの猛攻に翻弄されつつも、ここまで一度もダメージを食らっていない。特攻兵器の攻撃も徐々に慣れ始め、シーナに至っては最初の発砲から、まだ本格的な攻撃がなされていないことに気付くと左手の操縦桿を強く握り、ブースターをフルスロットルで加速させ、懐に入った瞬間にコアにブレード攻撃を一発叩き込む。反動で後方へ飛ばされながらも、更にその後方にあった扉が開き、ゼクセンは追撃の手を緩めることなく2撃目を敢行、機体から激しくスパークと火花が飛び、カオスマトリクスは膝を屈した。

「あのとき以来、強くなったな・・・。これならジャックも安心して『託せる』よ・・・」
「・・・ジュン、聞こえる、ジュン!」
「(通信が回復した?・・・インサイドにECMメーカー・・・さっきの通信妨害はこいつ(シーナ)の仕業か・・・。)こちらゼクセン、通信が回復したみたいだ、こっちは問題ない心配するな」
「よかった・・・それよりもジュン、急いで最深部に行って頂戴。それとそっちにジャックがいるはずだけど、目視で確認できる?」
「ジャック?」
「シーナを破ったその実力、どうやら本物であったようだ」
「ジャック、これでいいんだろ?俺は少し休ませてもらう・・・ぞ・・・」
「ご苦労だった、そしてゼクセン、もう語らなくとも分かるであろう、真実はこの先だ」

 24時間という長きに渡る戦いの裏に秘められた『真実』へと向うゼクセン、地下広場から降下してついに、『真実』・・・インターネサインへと到着した。

「これがインターネサイン・・・、なんて大きさ・・・なの?」
「・・・」
「どうしたの?ジュン・・・」
「スキャンは?」
「あ・・・ゴメン、壁面上部の6箇所に紋章みたいなの見える?そこに熱源があるわ。この施設のジェネレーターみたいなのかしら?インジケーターにターゲット表示してあるから、そこを狙って」
「了解・・・と言いたいが、どうやら最後の敵がお出ましだ。アリスの言っていた『パルヴァライザー』・・・、データにはないタイプだ。今までの奴よりデカイな・・・。こいつは、多分、最終形態だろうよ・・・」
「勝てるの?」
「勝たないと帰れないだろ?勝つさ・・ここまで来たらな!」

 インターネサインで彼を待っていたかのように現れた『蒼い』パルヴァライザー、ゼクセンは意を決して深淵の破壊神に戦いを挑んむ。今の彼なら解る。何故、ジャックがこの戦いを始めたのか・・・、この地球が一度死滅しかけたほどの災厄と呼ばれる『大破壊』。それを生んだインターネサイン。そしてそれを守るセキュリティシステム『パルヴァライザー』・・・。パルヴァライザーは戦闘を繰り返す度に進化し、やがては人間では太刀打ちできないほどまでに成長する。あの特攻兵器の襲来後に偶然見つけた『大破壊』の元凶を・・・。いつ誰が造ったか知らない存在、しかし人間が造ったのならそれを壊せるのもまた人間。ジャックの真意・・・それは、この2つを破壊できる最強の人間である『レイヴン』、その中でも絶対の強さを持つとされる『ドミナント』。それを選抜するための戦い、そして今、世界の存亡を懸けた戦いに終止符が打たれる。

「ミサイル・・・エクステンション、バックともに全弾消化、装甲破損率43%突破!ジュン、死なないで!」

「AP50%低下、機体ダメージが増加しています」

「ジュン!」
「くそ、さすがに硬い・・・だけどなぁ、俺はここで死ぬわけにはいかないんだよ!隊長の為にも、俺の帰りを待つ仲間のためにも・・・いい加減に・・・」

「オワリダ・・・レイヴン・・・」

「いい加減に、落ちろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

 空中で交差するACとパルヴァライザー・・・零距離でロケットを数発発射し、連動して右腕のマシンガンも発砲。爆煙が周囲を包み込むと、鈍い轟音と共に大きな衝撃が走った。レイラのイヤホンマイクからノイズが走る。彼女は蒼白した顔でマイクに自分の相棒を呼び掛ける。数秒すると、かすかにゼクセンの声が聞こえる、レイラは安堵の表情を浮かべた。
 一方のゼクセンはパルヴァライザーの撃破に成功し、インターネサインも機能を停止。ジャックの最後の依頼を果す事が出来た。これで世界が救われたのだと喜ぶ2人。しかし、その喜びも束の間、インターネサインに不穏な空気が漂い始めた。

「大きすぎる力・・・修正が必要だ・・・」

「ジュン・・・これは・・・」
「な・・・、そんな馬鹿な・・・、ナインボールがどうしてここに・・・」
「力を持ちすぎた者・・・秩序を破壊するもの・・・プログラムには・・・不要だ・・・」

「不要な存在・・・それはお前のことだ・・・」

 一筋の閃光がナインボールのコアを撃ち貫き、バランスを失った人形はゆっくりと地に堕ちる。黒煙の向こうから現われた紫色のAC・・・。目の前の光景に驚愕するゼクセンの口から『それ』を示す名が零れ出た。

「ジナ・・・イーダ・・・?」
 
 
ファシネイターは消し炭となったパルヴァライザーを見つめているようだ。 
 
「余計な邪魔が入ったな。しjかし、お前がこれを・・・大した奴だ・・・」
  
 煙を上げて横たわるナインボールが、尚も腕を上げる。・・・が、ファシネイターのレールガンがコア上部を貫き、一瞬で爆発、四散した
「ジナイーダ・・・パルヴァライザーを倒しに来た訳じゃなさそうだな・・・」
「お前という存在に、私はいつも興味をそそられる。ダムの時といい、今といい・・・。私はずっと探していた。私たちの存在、それが何を意味するのか・・・これで判る気がする・・・」
「ジナイーダ・・・」
「お前を倒し・・・」
「・・・!!」
「最後の一人となった、その刻に!」

 満身創痍のゼクセンに全ての力を以て襲い掛かるジナイーダ。前(さき)のパルヴァライザー戦で、殆どの弾薬を使い切ったゼクセンに勝ち目は無かった。

「できれば万全の状態で、お前と戦いたかった・・・しかし、この機会を逃せば、もう二度とめぐり合えぬかもしれない。ゼクセン、最後に生き残るのはどちらか・・・ここで決着をつけよう!」

「ジナイーダ・・・、貴方が望んだ選択って・・・。ジュン、このままじゃ、勝負にならないわ。あのナインボールの武装を拾って応戦して!」

レイラの機転に応え、ナインボールの装備していた武装を1つずつ拾い集め、それを愛機に装着させていった。マシンガンはリニアライフルに、バックユニットにはそれぞれグレネードキャノンとミサイルに・・・。

「私が倒したACの武器で戦うつもりか、いいだろうそれでこそだ・・・行くぞ!」

「敵ACを確認、リストACファシネイターです。敵はハンドレールガンを装備、被弾時の熱暴走、及び、多彩な武器による間合いの変化に注意してください」
「敵ACを確認、リストACスキールニルです。敵はブレードを装備、また、至近距離から中距離での多彩な実弾系武器による連続攻撃に注意してください」

 ACデータのアナライズは2人にとって無意味だった。それは黙視しただけで一目瞭然だった。ゼクセンとジナイーダはお互いに距離を置きながら攻勢に出るチャンスを伺う。ジナイーダのスピードに翻弄され、肉眼による視認のほか、機体の追尾システムですら追いつけない。お互いに死線を潜り抜けたレイヴンだが、この両者には決定的な差が存在する。『プラス』と呼ばれる強化人間・・・、ジナイーダはその力を持っていた。彼女の場合はオーバード・ブーストによってかかる重力負担と内臓へのダメージをほぼ完璧に消せる『スピードキャンセルタイプ』だった。『純粋な』人間であるゼクセンが、ジナイーダのスピードに追い付けるはずもない。しかし、ジャックの捜し求めた存在『ドミナント』だからなのか・・・。
 インターネサインでの戦闘は長期戦となり、双方共に疲労の色が見え始めた。

「なかなかやるな・・・だが、それでなければ、何の為に私が『強さ』を求めていたのか・・・レイヴンとして在り続けたのか解らんからな」
「ジナイーダ・・・、俺は、このエンブレムの意味を知る為にどれだけの時間を要したか・・・。今なら解る。俺自身が俺自身である事を証明するために、ここまで来たはずだ」
「ゼクセン・・・、ならば・・・」

「俺とお前の・・・、最後の決着をつけるために!」
「私とお前の・・・、最後の決着をつけるために!」

 どちらかが滅びるまで決して終わる事のない闘争を繰り広げる。安易な終止符など存在しない。敢えて存在するとするなら、それは、更に強い力を持った狩人の手で打たれるものだ。
 ここに、一羽の鴉にして、流動する世界に『導き』を与えんとする者がいた。老巧なるレイヴン・ファゴス。
 
「若き血・・・故に、か・・・」

 。ゼクセンもジナイーダもかなり疲労し、次の動きで全てが終わる・・・そう悟った2人は、一切の思考を排除して眼前の敵に全神経を集中・・・、そしてそれは訪れた。
 ジナイーダが先行して右腕のハンドレールガンを発砲、それからコンマ数秒後にはゼクセンもリニアライフルを発砲する。実弾とEN弾が交差し、両者のACに命中した。ファイシネイターは左肩に、スキールニルも左肩、お互い命中した位置が同じという結果になり、次の一撃に備えようした瞬間、天井から一機のACが降り立つ。

「・・・そこまでじゃ。今、この場で『答え』は出ぬ」

「ファゴ・・・ス・・・?」

 ゼクセンは本来そこにいるはずの無いACの存在に驚く。幻ではない事を確認出来たその時、再び、オグマからの通信が入った。

「生き物として、戦士としてよく戦った。・・・だが、どちらも未だ、死の後の答えには早い」

「・・・なるほど。だが、私はこの男との決着はついていないが、私もどこかで、私自身が追い求めていたものに手が届いたような気がする。ゼクセン・・・勝負はまた別の機会まで預けるとしよう・・・」

 ジナイーダはそれだけを残してインターネサインから離脱した。残されたゼクセンはオグマに向き直り、彼に問いだした。

「俺が今ここで訊きたい事はただ一つ。あんたは何の為に俺を見ていた?」

「時が動きだした。その方向を定むる者、それがお前さんじゃった」

「そうか・・・」

 サークシティ、旧・ナイアー産業区

「・・・ジュン、お疲れ様、作戦は無事終えたようね。生きて帰ってくる約束は果せたわね」
「レイラ、悪いがガレージの連中に機体の修理を頼んでくれ。また派手にやったとな」
「分かったわ・・・」

 午前6時・・・ジャックの予告した24時間が経過、アライアンス本部は文字通り壊滅、同戦術部隊も政府軍に降伏する。バーテックスについては所属していたレイヴンが散り散りとなり、組織そのものもはほぼ消滅した。
 同時刻、サークシティでの戦闘終結をもって一連の事件は幕を閉じる。



デュラム・ジンガー最終レポート

最終決戦までに生存が確認されているレイヴン・・・ゼクセン
行方不明・・・ジナイーダ、ファゴス
戦死・・・多数

最終決戦でまさか、ジナイーダが決闘を挑んでくるなんてな。奴も、うちの大将もそうだが、レイヴンってのは無類の勝負好きって事なのか?
まあ、いいや。とにかく良いレポートに加え、俺自身、ジャーナリストとしても誇れる記事が出来そうだ。いつかまた仕事を頼むときはよろしく頼むぜ。

デュラム・ジンガー


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